カーネギーの一生は、当時立身出世小説で流行作家となったホレイシオ・アルジャーですら脱帽したに違いない、比類なき成功物語そのものでした。
機会や幸運に恵まれたとはいえ、富に対する極度の飢餓感覚がなければ、物質的欲望への執着とその充足に彼を駆りたてなかっただろうと言われています。
また、少年時の学問への憧憬はのちに、哲学者スペンサーへの傾倒など、彼自身の知的関心にとどまらず、教育の改善や平和主義、博愛主義思想の推進、知識人たちとの交流や文化事業の振興など、実に多分野にわたる活動を通じて、かつて叶わなかった夢の実現に、愚かれたように取り組んでいったのです。